天使ママ・周囲の方に知ってほしいこと
天使ママとなったみなさんへ
iKizukuのホームページに来てくださりありがとうございます。天使ママとなったみなさんへ、天使ママサポーターの「エンジェライト」さん、「ポコズママの会」さんからのメッセージを紹介します。どうかひとりで苦しまないでください。一緒に、少しずつ、ゆっくり歩んでいきましょう。赤ちゃんのお見送りの仕方など、多くの参考になる情報を掲載して下さっていますのでご覧ください。
天使ママ・パパの周囲の方へ
身近な人が天使ママ・パパになってしまったという周囲の方の中には、どう声をかけてよいか、どうふるまったらよいか分からない方も多いと思います。同じく「エンジェライト」さんと「ポコズママの会」さんからのメッセージをご紹介します。赤ちゃんを亡くしたママ・パパの心と身体の状態について、当事者がどんな言葉を辛く感じるかなど、少しでも知っていただけたらと思います。その他にも多くの参考になる情報を掲載して下さっていますのでご覧ください。
天使ママ・パパ・周囲の皆さんへ
天使ママ・パパに起きること、家族の方に起きること、長期化するグリーフについて、退院後・医療者の方達について、とても分かりやすくまとまっているサイトをご紹介します。「ピンク&ブルーリボンピンバッジ」を製作するにあたり、Angieさんが行ったクラウドファンディングのプロジェクトページです。こちらのサイトをパートナーや家族、友人や職場の方などにお見せして、自分の状態を分かってもらえたのが良かったという経験者の声が多くありました。クラウドファンディングは終了しておりますが、とても参考になるので是非ご覧ください。
グリーフに関すること
赤ちゃんを亡くすなど、喪失に伴う心身の様々な反応を「グリーフ」と言いますが、まだまだ日本では知られていないかと思います。このグリーフに関するサイトをご紹介します。天使ママ・パパにどんなグリーフ反応が出るのか、今後どのように経過していくのかを知ることで、当事者は「自分がこのような状態になるのはおかしくないのだ」と安心できたり、周りの人も必要な支援や配慮がしやすくなると思います。
「グリーフ・サバイバー」
グリーフについて、グリーフとの付き合い方などをとても詳しく紹介して下さっているサイトです。また、グリーフケアに関するハンドブックも提供して下さっています。
「大切な人をなくした人のための権利条約」
「いつ、どこで、どのような形で大切な人をなくしても、その人が必要とするサポートを確実に得られる社会の実現」を目指して立ち上げられたグリーフケア団体「リヴオン」が出されている「大切な人をなくした人のための権利条約」をご紹介します。
ペリネイタルロスも「出産」制度の対象
妊娠4ヶ月(妊娠85日/12週)以降の流産・死産・中絶は制度上では「出産」です。以下に関連の制度について紹介します。詳細は「企業の皆さまへ」のページで働く女性の妊娠・出産に関する法令・制度に関する情報をまとめていますのでそちらもご参考になさってください。
妊娠出産後も働く女性が少ない職場などの場合、ペリネイタルロスでも出産であり、各種制度が使えるということを、働く天使ママ自身も、また職場の人事担当者も知らない場合も多いです。このサイトや関連記事を見せて頂くなどしながら、人事担当者などに問い合わせてみてください。
必要な人に正しい情報が届きますように。
1.休業制度・母健連絡カード
<産後休業>
妊娠4か月以降での死産や人工中絶、新生児死となった場合も、産後休業が適用されます。これは労働基準法第65条に定められた法定の強制休業であり、正規・非正規、就業規則への記載の有無等にかかわらず、また本人が出社を希望した場合でも、会社側は就業させることはできず、違反した場合は罰則が課されることがあります。尚、6週間は強制的な休業で本人が希望したとしても企業は就業させることはできません。6週間を経過した後は労働者本人が請求し、医師が支障ないと認めた場合には業務につくことができます。
<有給休暇・傷病休暇・欠勤>
初期流産の場合でも無理は禁物です。必要に応じて有給休暇を取ることを検討してください。職場によっては流産休暇・妊娠休暇・傷病休暇等が活用できる場合があります。自身の心身の状況に応じて活用を検討してください。また、有給休暇ではなく欠勤の場合でも、健康保険の私傷病手当に該当する可能性がある為、是非職場に相談してみてください。
<母健連絡カード>
妊娠中・出産後の体調不良等に関し、主治医等が行った指導事項の内容を、妊産婦である女性労働者から事業主へ的確に伝えるために「母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)」があります。女性労働者から「母健連絡カード」が提出された場合、事業主は「母健連絡カード」の記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があり、これは流産・死産の場合にも使えるものです。産後の業務上の配慮や休業の必要性を職場に伝える為にこのカードを活用することもできます。産後休業の対象とならない妊娠12週未満の流産の場合や、産後休業終了後も心身の辛さにより職場復帰が難しい場合は診断書、母健カードを活用して休業・休職を伸ばすことも可能ですので職場に相談してみて下さい。
2.お金に関すること
妊娠4か月以降での死産や人工中絶、新生児死の場合でも、加入している健康保険組合から出産育児一時金/家族出産育児一時金、出産手当金(産後休暇が無給の場合に支給される手当金)が支給されます。また、前後休業期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の免除制度・国民年金保険料の免除制度があります。会社の人事や健康保険組合に問い合わせてください。
また、医療保険に加入している場合には、経腟分娩以外の出産(帝王切開など)に関わる費用が保障されることもあります。赤ちゃんの死をお金に変えることに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、心身の負担が大きい中、金銭的な負担を少しでも緩和することも大切です。赤ちゃんが産まれた証明と考えることもできます。
厚生労働省・こども家庭庁監修のサイトに、働く女性が流産や死産等をされた場合に使える制度、流産・死産後の体調や職場復帰に関するアドバイス等が掲載されていますのでご紹介します。また「企業の皆さまへ」のメニューでも企業の制度に関する情報を掲載していますのでそちらもご参照ください。
ペリネイタルロスで使える制度や手当(出産育児一時金・医療費関連の制度・産後休暇等)について解説して下さっている「UMU(不妊、産む、産まないに向き合うすべての女性たちへ。未来をともに育むメディア)」の記事を紹介します。
職場復帰について
働く天使ママにとって、職場復帰というのはとても大きなハードルだと思います。私たちの経験や、先輩天使ママさんの例などからいくつかポイントをお伝えします。「働く天使ママの声」のページで働く天使ママの先輩の体験談を紹介していますので是非ご覧下さい。
1.休暇中の過ごし方
職場復帰に向けては決して無理をしすぎないようにしてください。心身を十分に休める為に、有給休暇を取得したり、死産後8週の産休に加えてしばらく休暇を取る例もあります。
産後休業などで長期に休む場合、その間どのように生活したら良いか悩むことも多く、職場復帰に向けた心身の整え方について悩まれると思います。また、いざ職場復帰を間近に控えたタイミングで、もう少し休むべきか、復帰してよいかについて悩んだりすることもあると思います。産婦人科など医療機関への相談や、カウンセリングなどの活用、職場の産業医や保健スタッフ、産業カウンセラーなどに相談することも考えてみて下さい。
一方、仕事をすることが励みになったり気持ちをいい意味で紛らわせてくれる場合もあると思います。人事担当者や上司とご自身の心身の状況についてよく相談して下さい。復帰の仕方は人それぞれであり、心身の体調の変化については個人差が大きい為、自分の気持ちや身体を優先してほしいと思います。
2.復帰前に上司・同僚に相談しましょう
職場復帰が近づいたら上司や同僚に時間をもらい、復帰の仕方などについて相談しましょう。時短勤務等を使って徐々に復帰したり、心身の負担を軽減できるように配置転換をしてもらう人もいます。体調面で配慮が必要な場合は、職場の安全衛生管理の観点からも適切に共有してほしいと思います。ご自身の心身の状況、希望する働き方について是非よく相談してみてください。
欠勤・休暇後最初の出勤日の上司や同僚の反応で傷つくという声も多く聞きます。自身の体験を誰にどこまで伝えるか、伝える場合どのように周知してもらうかはとても悩むことの一つです。事前に上司や親しい同僚からご自身の状況を伝えてもらってもらうことも良いですし、知られたくない、あまり気を使ってほしくないなら、何も伝えないという選択もあります。希望するサポートを伝える、見た目は元気でも精神的には深く傷ついており、回復には長期間を要するということへの理解をしてもらうことも必要です。上司や同僚にペリネイタルロスやグリーフに関して知ってもらえるように、このサイトなどを事前に読んでもらうなどしてどうぞご活用ください。
<上司との相談のポイント>
・職場の誰にどこまでの内容を伝えてあるかを確認しておく
・誰にどこまでの内容を伝えて欲しいか/伝えないで欲しいかを伝える
・自分の状態や希望する働き方を事前に伝えておく。現在の体調、今の自分ができる業務/難しい業務、労働時間の希望、配慮・サポートしてほしいこと等を箇条書きにしておくとよい。
<同僚の方への伝え方・反応への準備>
・上司や同僚から説明してもらう(どこまでの内容を誰に、を相互確認しておく)
・メール等の文章で伝える
・ピアサポート、グリーフケア団体が作成している冊子などを渡して、自分が今どのような状態にあるかを伝えておく。(ペリネイタルロスについて、グリーフについての知識、周囲の方が気を付けることなどが記載されたもの)
・想定問答集を作っておくのも良い。事前に心の準備をしておくことで、職場で質問を受けた際にも焦らず答えられる。
3.復職後に気を付けること
復帰直後は体力も落ちているため職場への通勤だけで疲れることも。まずは復帰できた自分を褒めてあげてほしいと思います。
復職後すぐは頑張りがちであり、それを見て周囲がもう大丈夫だと感じてしまうこともあります。復職後しばらくして悲しみがぶり返したり、頑張った反動で体調不良になる場合もあります。時間の捉え方・体調と心の動きについての認識が、周囲と自身の実態とでズレていることも多いです。その上で必要に応じて自身の状態を周囲に伝えることも必要です。思うように働けない、モチベーションが上がらない等気持ちが沈むことがあることもグリーフの自然な反応と心得ておくとよいと思います。
記念日(出産予定日、月命日など)には気持ちが不安定になることもあるため(「記念日反応」と呼ばれます)無理をしないようにしましょう。必要に応じて休みを取ることも検討してください。
4.経験直後の大きな決断は慎重に
経験の直後は判断力が低下したり、物事を白黒で捉えやすくなると言われます。また環境の変化も心身に負担となります。退職・転職・引っ越しなど大きな決断は慎重に検討してください。
ハンドブックのご案内
グリーフについて、制度や手当について、職場復帰のポイントについて、自助グループについて、そして周囲の方に知ってもらいたいことのポイントをまとめたリーフレット「働く天使ママ・パパのためのハンドブック」を作成しています。こちらからご覧いただけますのでご活用ください。
働く天使ママに関するメディア情報
働く天使ママの現状や、復職やキャリア等について参考になる情報をご紹介します。
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